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せっかく理想の注文住宅を建てるのであれば、細かい部分にまでこだわりたいところです。
外観は目立つ部分なので誰もがこだわるところですが、内装に関しては深く考えずに対応してしまい、後悔に繋がるケースもあります。後でこうしてれば良かったと後悔しないためにも、いくつかのポイントを押さえておきましょう。
「どうしたいのか」も大切なのですが、失敗談を調べてみることで「これは控えよう」と対策しておけます。
「こうして良かった」という声を取り入れるのも良いかもしれません。ただ、自分や家族のライフスタイル、住む場所の環境によって合う合わないがあります。予算はもちろん、陽射しの向きや治安状況なども確認しておきましょう。このプランで進めたい時、何が起こるかを想定して対策を立ててみるのも大切です。
コンセントの数は、多いに越したことはありません。
もちろん電圧の問題として設置できる数は限られますが、昨今はスマートフォンの充電でもコンセントが必要になるなど、家庭内におけるコンセントの需要が高まっています。それだけに、コンセントは数はもちろん、位置もこだわって設置しなければいけません。数が多くても、家具で隠れたり使いづらい位置にあったりしては意味がありません。
特に掃除機を使う際、コンセントの存在は大きなものだと実感することになります。コードレスでない掃除機だと、部屋を移動する際にプラグを抜き差しするため、できる限り使いやすい位置に置くのが理想です。掃除で手間のかからない導線を意識してみることで、手間を省けるようになります。
予算によって、どこかをこだわりを諦めなければいけない部分が出てくるかもしれません。その場合、削る部分とお金をかける部分のメリハリをつけることが大切です。
必要ない、そこまで重要視していない内装は特に要望を出さなくても十分でしょう。一方で、普段よく使う部分の内装を節約すると、頻繁に「もっとここはお金をかけるべきだった」と思うことになります。
水回りは掃除しやすい素材にする、皆で使うリビングは快適に過ごせるよう空調設備を付けたいなど、こだわれるポイントは大まかにでも把握しておくのが吉です。
内装で大切なポイントは、「生活にマッチしているのか」です。
そのためにも、新居での生活を可能な限りシミュレーションしてみましょう。どの部屋にどの程度の頻度でアクセスするのか。それによってお金を掛けた方が良い部分と、特にお金を掛ける必要がない部分が見えてきます。
どのような家を建てられるかは、モデルハウスを見学してみることでもイメージしやすくなるはずです。
内装を考える際には、全体的にどんなスタイルにするのか最初に決定するのがコツです。決めておかないと雑然とした部屋になります。部屋のスタイルの選択肢はバラエティ豊かです。ナチュラル、モダン、和、西海岸、ゴシック、レトロ、本当に幅広いのですが、この点を決めると内装のデザインも決まります。
「とりあえず」で進めてしまうと、和と西海岸スタイルが中途半端に混ざる結果となるのです。別々の要素を取り入れて成立させるには絶妙なバランス感覚とセンスが求められますが、成立させるのは至難の業。
ナチュラルならナチュラル、西海岸風なら西海岸、和なら和とテイストを決めれば、そろえる家具の傾向も明確になるのです。
統一感のある部屋にするためには、使用する色をシンプルにして少なくするのもポイントです。一部屋3色程度だと統一感が出ます。
1色だとどんなに好きな色であっても、極端過ぎてアクセントが欲しくなり、h反対に多種類のカラーリングを使うとバランスを取るのがむずかしく、リラックスしたいときでも、落ち着かない部屋となってしまいます。
カラーリングの考え方は、ベース、メイン、アクセントという分類を基準にします。ベースカラーとは、部屋の70%以上の割合を占める色です。ベースカラーだけでも部屋の印象は変化します。一般的には、自己主張の強くない色が適しているため、ホワイトやベージュが多いです。
メインカラーは、部屋の25%以上を占める色です。カーテンやチェストやソファーやベッドなどのインテリアが当てはまります。割合が一番少ないのは、アクセントカラーです。部屋全体の5%だけですが、バランスを取るという意味では重要でしょう。オブジェを選ぶときはアクセントカラーを選ぶという気持ちで検討してみてください。3つのカラーリングのバランスがよいと、部屋に統一感が生まれます。
内装の色が家全体の影響を大きく決める理由に特性があります。白のような明るい色は、膨張色といわれており、軽く、明るく、大きく見えるのです。
一方、黒のような暗い色は収縮色といわれます。重く見えて引き締まって小さく見えるのです。内装にもこの特性は影響を与えるため踏まえて検討してみてください。
床と天井に膨張色を使用すれば明るく感じられます。天井も高く見えて広がりと開放感のある印象に。逆に天井を収縮系の色にすると低く感じられるのです。この特性を利用すると、天井は明るく、床を収縮色にすることで下に重みが出てて上は高く感じられて安定感が出ます。
壁紙の色を決めるときは、進出色と後退色に注意が必要です。赤やオレンジのように、暖色系の明るい色は進出系でブルーや青紫といった暗い色は寒色系になります。進出色を広い面積に使うと迫って来るように見え、閉塞的な印象になるのです。
逆に後退色は遠くに見えるために部屋に奥行きが出ます。床や天井や壁の色を決めるときは、特性を見極めて選べば、失敗を防げるでしょう。
木製家具や建具は、床の色を基準にした選び方がおすすめです。床が明るい色なら同色の家具や建具だと部屋が広く感じられます。明るい色の床よりも濃い目の家具を設置すると、家具の印象が強くなるのです。家具に重厚感や高級感を出したいときに適しています。基本的に家具や建具の木部の色をそろえるとバランスがよくなるのです。
内装の中でも、床は特にこだわることができるポイントです。どの部屋にもあるため、内装だけではなく、家全体の印象さえ左右するのです。
特にリビングの床材は力の入れどころ。家族や友達も含めて、多くの人が集まる場所となるので、見せ方1つ、工夫1つでガラッと印象を変えられます。
また、一口に床材と言っても多種多様な種類があり、無垢材、複合、クッションフロア、コルクタイルなどがあります。
ナチュラルスタイルを取り入れたお家なら、無垢材がおすすめ。木材のよさをそのまま活かせ、調湿や保湿性や肌触りもよく機能性が高くなります。
複合フローリングは合板の上に化粧シートを貼っているタイプで、価格もリーズナブルな点がメリット。機能性は無垢材と比較すると劣りますが、ジュースやお茶などがこぼれても掃除がしやすく取り扱いやすいです。
クッションフロアは塩化ビニールにクッションが入っています。足腰への負担が少ないため、高齢者や子供がいるご家庭にぴったりです。
コルクタイルは、無垢材と同じく床材の中では高級な部類に入ります。耐久性や耐水性防炎性など機能性が高く、キッチンの床材ぴったりです。この中でコストや見た目や機能性も含めて決定するといいでしょう。
天井や壁に貼るクロスも慎重に決めていきましょう。基本的に床と壁の色は同じにしたほうが無難です。そのうえで壁の一部の色だけ変更するとアクセントが生まれます。また、デザイン性以外にも、機能性も含めて選ぶと失敗が少なくできます。
クロスほどではないですが、カーテンも面積を広く取ります。閉めたとき、壁の面積の大部分がカーテンになるケースもあります。カーテンも布やブランド、ロールカーテンなど多種類です。生地や色目にも注目して、サンプルをチェックしましょう。
オーダーメードのカーテンを作れるお店もありますが、家づくりを依頼したハウスメーカーに相談したほうが、サイズの失敗リスクが減るためおすすめです。
水周りの設備はデザイン性だけを優先させると、失敗する可能性があります。水回りの設備は長期間、毎日使用するものです。デザイン性を優先させた結果、毎日の家事が大変になったら意味がありません。キッチン、ユニットバス、トイレなどは機能性を重視するのがポイントです。
住宅会社が提携している水周り設備のメーカーを紹介してくれます。担当者と細かい部分まで打ち合わせをして、疑問点があれば聞いてみましょう。メーカーの中には、ショールームを設けているところもあります。足を運んでチェックすればイメージもふくらみ、具体的な機能性をチェックできるでしょう。
内装にあるすべてのものの材質を同じにすると統一感は出ますが、同時に面白みのない印象になるのがむずかしい点です。異素材がバランスよく融合すれば、部屋はより豊かな印象を生み出せます。たとえば無垢材中心の部屋に、ガラスや鉄のような異素材の組み合わせると木材一辺倒ではない面白みが生まれるのです。
内装で使われる素材は幅広く、自分なりの組み合わせを試してみてください。障子やランプシェードで使われている紙や、プラスチック類、革や金属、布などたくさんあります。あまりに多くの種類を組み合わせると、雑然とした印象になるため、バランスを考えた組み合わせを意識してみてください。