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注文住宅にさまざまな種類があるように、注文住宅を建てるための工法にもさまざまな種類があります。ここでは、木造軸組工法、木造枠組壁式工法、軽量鉄骨造の3種類の工法をピックアップして、それぞれのメリットとデメリットを学んでいきましょう。
木造軸組工法は、別名在来工法と呼ばれる工法で、日本古来の伝統的な工法です。現在でも木造軸組工法で建てられている家屋は多く、国内の約8割の建物は木造軸組工法で建てられていると言われています。
基礎部分に木材を乗せて、柱と梁で木組みを作っていくことで家を構成していきます。名前の通りこの工法では家ほとんどの部分を木材で作るので、日本の風土に適した工法だと言えます。
木造軸組工法なら、さまざまな形状や構成の住宅に対応可能です。ほかの工法だと、狭小地や複雑な形をした土地にはなかなか住居を建てられなかったりしますが、木造軸組工法はそうした変則的な設計にも柔軟に対応できるのです。注文住宅を個性的な構造や間取りの住まいにしたい人におすすめの工法であると言えるでしょう。
安全な暮らしのために耐震性と並んで重要なのが耐火性です。木造建築は一見耐火性が低いように思えますが、実際には木造の家屋は、燃えても表面は炭化しますが、内部まで燃えてしまうには相当な時間がかかるのでなかなか崩れず、結果的に高い耐火性を発揮します。
高い耐火性、耐震性のある木造軸組工法ですが、材料が木材である以上シロアリなどによる虫害は避けられません。また、気密状態や水回りの配置によっては湿気がこもり、気が腐ってしまいもろくなることもあります。木造軸組工法で家を建てるなら、こうしたトラブルに対する対策は必須となります。
木造建築は、建物の強度を確保するために壁に筋交いを入れなくてはいけません。また、単純な強度は鉄筋コンクリート造に一歩譲ります。柱を使わない大広間を作る場合のように、一部の特殊な構造に関してはこの木造軸組工法が適用できないことがあります。
アメリカから伝来した木造工法で、材料の寸法や使用する釘などの金属部品を規格化しているのが特徴です。この規格化によってほかの後方に比べてコストを抑えた家作りが可能になっているほか、職人の技術力の差による住まいの質のばらつきも抑えられています。主に2インチ×4インチの製材を使用するため、ツーバイフォー(2×4)工法とも呼ばれています。
木造枠組壁工法で建てられた住まいは、高い断熱性と機密性を持ちます。使用されている木が本来持っている断熱性や気密性に加え、柱を4インチから6インチ、8インチにサイズアップすることでさらに断熱性と気密性を高めることができます。
従来の工法で建てられた住まいは、柱や梁で全体を支えている構造です。対して、木造枠組壁式工法で建てられた住まいは、壁で全体を支えています。そのため、高い強度と耐震性を持っています。さらに、壁で家を支えているので柱が少なくてもよく、屋内空間を広く取ることが可能です。
木造枠組壁工法では、壁の下地に石膏ボードを用いています。そのため、高い耐火性能を確保しています。
木造枠組壁式工法で建てられた建物は壁で全体を支えています。そのため、その壁に開口部を設ける必要がある窓や玄関をあまりに大きく取ってしまうと、建物の強度が失われてしまうのです。また、同じ理由から増改築も難しいのがデメリットです。
軽量な鉄骨を芯材としたプレハブ工法です。多くの工務店やハウスメーカーが採用しているので、商品の種類もたくさんあります。構造自体は木造軸組工法と同じですが、素材に鉄骨を用いているため強度が高いのが特徴です。さらに、芯材で強度を確保しているので、壁面に大きな窓を空けても強度が失われません。
素材が工業化されているので、木造建築のように住まいの質が職人の技術に依存する部分が少なくなっています。そのため品質も一定になり、コストも抑えることができます。
主に柱や梁で建物を支えている木造建築は、建物の強度を確保するためにどうしても柱が必要です。しかし、軽量鉄骨造なら建物の強度を鉄骨で確保しているので柱の数を減らすことができます。そのため、木造建築に比べて屋内をスッキリした空間にできるというメリットがあります。
素材に金属である鉄骨を用いている以上、軽量鉄骨造の建物はどうしても熱を伝えやすくなっています。そのため、屋内の熱が外に逃げやすく、冬は結露しやすいというデメリットがあります。
軽量鉄骨造に用いられる各種部材は工業製品です。これには大量生産できるのでコストを抑えられるというメリットがある反面、設計デザインの自由度がどうしても低くなってしまうというデメリットがあります。また、部材はメーカーごとに異なるので、リフォームの際にはメーカーにやってもらわなくてはいけないのもデメリットです。
注文住宅を建てるための工法にはたくさんの種類があります。どんな住まいを建てたいかはもちろんのこと、福山市の気候や土地に合わせた工法を選ぶことが大切です。自分の理想の住まいを建てるためにも、それにふさわしい工法を選びましょう。